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Interview to Taisuke Kusunoki about FWT

日本で初めて行われたフリーライドの国際大会で、FWTの20年の歴史でも初のアジアのイベントだった、Freeride Hakuba 2017。
スキー男子の部門で海外のトップ選手たちを抑えて優勝し、ワールドツアーの招待選手となったのが、楠泰輔。その滑りはFWTの選手、ファンが口をそろえて「スタイリッシュ」と表現し、世界に衝撃を与えた。トップ選手に混じり3カ国を転戦した楠泰輔にインタビューをした。

Freeride Hakuba、それから招待選手として 参戦したFWTはどうでしたか?

実はFreeride Hakubaに出る前はFWTのことはぜんぜん知らなかったんですけど、PeakPerformanceがスポンサーしてるイベントってことで、「とりあえずめっちゃ攻めてやろう」くらいしか考えずに出ましたね。運良く優勝出来て、FWTに招待してもらえたんですけど、実際ツアーを回ってみて、これまでやってきたスキーとは全然違う世界が見れたんで、行けてよかったです。ほんとに。

何が「全然違った」のでしょうか?

みんなスキーを楽しんでるところとか、根本的なモチベーションはみんな一緒やったんですけど、山、選手のスキル、大会の雰囲気とかはもう全てが新しかったですね。ヨーロッパは、ゲレンデからちょっとトラバースしたらデカくてジャンプのある斜面にいくらでも行けて、ハイク無しで1日に何本も滑れる。
ああいう斜面は日本だとバックカントリーになっちゃうんで、天候とかハイクの長さで1日に行ける本数は限られます。大会になると、あの斜面をある意味強制的にノンストップで下まで滑りますけど、北海道ではそういうことはないですから。そこが一番の違いですかね。FWTの選手は下は20歳くらいから、上は40代の選手までいて、みんな小さい頃からああいうデカい山を滑ってきてるんで、感覚がいい感じで麻痺してるというか、「斜面に対する慣れ」が全然違うと思いましたね。ジュニアでも山の良いポイントとかめっちゃよく知ってましたから。FWTも20年の歴史があって、フリーライドがカルチャーとして根付いてる感じがしました。たぶん日本人は1 つしかセクションが無い短い斜面とか、単体のクリフを跳ぶのはめっちゃ上手いと思います。海外の選手にも負けてない。でもデカくて長い斜面の中にいくつもノール(急に斜度が大きくなって着地点が見えないところ)が続くと、事前に視察して着地を計算した上で、見えない怖さを乗り越えて突っ込まないとだめなんで、これはもう慣れがないと出来ないです。あっちの選手はその感覚が自然と養われてるんで、有利やなって思いましたね。選手たちとは、試合が無い日でも朝に「今日どんな感じ?」「滑りに行こうぜ」みたいな感じでゲレンデに集まって一緒に滑ってました。あんだけ高いレベルのメンバーでツアーを回ってたら絶対上手くなるし、ヨーロッパのスキーヤーはうらやましいですね。

いつもと全く違う環境で、あれだけインパクトの ある滑りが出来た理由は何ですか?

僕も日本で滑る時は常にジャンプ出来る場所を探してるし、ああいうところ滑るイメージも持ちながらスキーしてたんで、怖くは無かったですね。モーグルをやってたのも関係してるかもしれません。あとはみんなに「スタイリッシュ」やって言ってもらえました。僕は滑るときはラインとかジャンプのランディングとか、なんせ安全に降りたいな、とかばっかり考えてて、スタイルはあんまり意識してないんですけど、滑りのテクニックとかうまさを評価してもらえて、嬉しかったっすね。日本は雪も良いし、滑ってて楽しいんですけど、自分のレベルを上げるならやっぱ海外も行かないとだめやなと思ってます。もし来年も出れるなら、今度は今回順位が1つ足りずに足切りになってしまったアラスカとヴェルビエのイベントも出たいですね。自信はあります。